我が家の庭のみかんの木の花です。剪定したことがないので伸び放題です。品種名はスイートスプリング(Sweet Spring)、1947年に静岡市にある果樹試験場興津支場において上田温州にハッサクを交配、育成選抜して作り出したミカンです。1982年に品種登録されましたが、登録有効期限18年が過ぎて2000年には育成権が消滅しています。花は香りがよく、花が咲くたびに童謡「みかんの花咲く丘」を思い出します。

酸味が少なく、かつ糖度が高いのでたいへん美味しいミカンです。そのうえ、作りやすいミカンだと思います。でも、店頭ではあまり見かけません。その一番の原因は、果面の艶が悪い、つまり見た目が悪いためのようです。下にマーマレード用に頂いた夏みかんと比べていますが、確かに少しゴツゴツしていて美味しそうには見えません。

スイートスプリングは親のハッサク譲りで果皮が厚いのですが、最大の欠点はこの果皮が剥きにくいこと、身離れが悪いことです。そのためオレンジのようにくし形にカットして食べることが多いと思います。この食べ方でもいいのですが、ハッサクと違って内果皮(白皮)やじょうのう膜(袋)に苦みがほとんどありません。そこで私のお薦めは、写真のようにリンゴの皮を剥く要領で皮を剥き、くし形にカットして白皮ごと豪快に食べる方法です。このミカンは白皮と一緒に食べたほうが絶対に美味しいと思います。