ニレ科の花は地味で目立たないものが多いのですが、ムクノキの花もまた同様です。淡緑色で葉の色とあまり変わらないこともあって、咲いているのさえ殆ど気がつかないほどです。果実はエノキの実よりも明らかに大きく、熟すと黒紫色になります。ちなみにこの果実はムクドリの好物とかで、その鳥名もこのムクノキに由来するようです。
話はかわりますが、ムクノキとかムクドリとか "ムク" と聞くと、椋鳩十(1905〜1987)という児童文学作家を思い出します。鹿児島県立図書館長を長くされていた方で、先生の講演を一度聞いたことがあります。もう50年以上も前のことなので、話の内容はすっかり忘れてしまいましたが、当時60歳ぐらいだったでしょうか、背の高いダンディーな方だったような記憶があります。
葉っぱをみてもムクノキなのか
エノキなのか、分からなことがあります。幹を見ればほぼ見分けはつくのですが、鋸歯でも見分けられます。上掲の画像でも分かりますが、葉脈(側脈)が鋸歯の先端にまで達していればムクノキです。