都都逸に「信州信濃の新蕎麦よりも、わたしゃ貴方のソバがいい」というのがありますが、あのソバの花です。痩せた土壌でも育ち、種子を蒔いてから70〜80日で収穫できることから、かつては寒冷地での救荒作物として人々の命をつないできた作物でした。

ソバの花といえば普通は白ですが、赤い花のソバもあります。きれいです。

私は南国育ちですのでソバにはあまり縁がなかったのですが、いちど見たら忘れられない姿かたちです。いちど五月ごろに、あるお宅の門の横でソバの花を見たことがあります。ソバの花といえば秋だと思っていたので思案投げ首でジッと見ていたら、通りかかったオバサンに何の花でしょうかと尋ねられ、とっさにソバではないでしょうかと答えた覚えがあります。ソバかどうか自信がなかったのですが、あとで調べたら春ソバというのがあるのだと知って安心した記憶があります。