ナンバンギセル (南蛮煙管)
ハマウツボ科 ナンバンギセル属 花期;7〜9月
学名:Aeginetia indica
PHOTO '09.9.20
キセル(煙管)の形に似ていて、ススキなどのイネ科の植物に寄生する全寄生植物として有名なナンバンギセルです。ナンバンギセルに限らず、全寄生植物は全般的に異様な感じがします。それはキノコと違って花だからと思われます。葉緑素を持たない全寄生植物には少なくとも葉っぱは不必要、茎も小さくて構わないわけで、既成概念的に葉や茎のない花はやはり異様に見えるのだと思います。
ところで、キセル(煙管)は刻みタバコを吸うときに使う道具ですが、戦後10年ぐらいまでは日常的に使われていたと思います。私の祖父はタバコが大好きで、キセルでよく吸っていました。祖母に言わせると『あんたは吸うでなく食うだ』、といつも怒っていました。もちろん健康を考えて怒っていたわけではありません。経済的な負担からです。分かりやすく言えば『金もないのに!』ということです。今考えると多分、祖父はニコチン中毒だったのだと思います。その祖父、50代前半の若さで内臓疾患によって亡くなりました。食料事情や医療事情、戦争などで、祖父の時代はまだまだ人生五十年の時代だったのです。今は百年?、生きるのには少し長すぎるような気がしないでもありません。