ヨーロッパから中国にかけて分布している木だそうです。不思議なことに、花後に花柄が伸び、上掲の画像のようになるのです。これが遠くから見ると煙のように見えるということで、"煙の木(smoke tree)" となったようです。ちなみに、このようになるのは雌株だけです。従って、この "煙" が売りの木ですから、たぶん雄株(雄花)を日本で見ることは殆どないかと思います。
前述のように、"煙" の実態は花後に伸びた花柄の集合体です。花柄には開出毛が生えており、遠くから見ると煙のように見えるという訳です。ちなみに花柄の先端は褐色になっており、果実はできておりません。花粉を持つ雄花の雄株が無いわけですから、当然と言えば当然のことでしょうか。
これがケムリノキの花(雌花)です。かなり地味な花と言わざるを得ません。花の拡大画像を見ると、開出毛をつけた花後の花柄(白矢印)と思われるものも見えています。なお、ケムリノキには数種の園芸品種があるようで、下はその一つです。葉が赤紫色を帯びるものです。ケムリノキの "
野村モミジ " バージョンといったところでしょうか。