イチハツ (一初、一八)
アヤメ科 アヤメ属 花期;4〜5月
学名:Iris tectorum
PHOTO '21.4.14
日本に昔からあるアヤメ類のなかで一番先に咲くので「一初(イチハツ)」と名がついたとされています。アヤメ類はどれがどれなのか分かりにいものですが、イチハツの花の一番の特徴は外花被片に鶏冠(とさか)状の突起があるところです。
外花被片上の鶏冠状突起
※アヤメ属の花は豪華な反面、構造が複雑で分かりにくいのですが、イチハツは内花被が横に開いており、その構造が分かりやすいかと思いますので説明します。
上の画像で、外側から
1. 鶏冠状の突起や派手な紋様が付いている3片が外花被、
2. 外花被片と外花被片とのあいだに配置されている3片が内花被、
更に、
3. 内花被片と内花被片のあいだ、すなわち外花被と重なる位置で、横に伸びている花弁状の3片が雌しべです。 三つに裂けているようにみえますが、雌しべの柱頭と花柱が3裂(花柱分枝)して花弁状になっているのです。ちなみに、雄しべはこの柱頭裂片(雌しべ)の裏に張りついています(下画像参照)。
花の構造
➀外花被片(3片) ➁内花被片(3片) ➂柱頭裂片(雌しべ)… …花弁状
➃葯(雄しべ)…… 花弁のような柱頭裂片の裏側に一本、張り付くようにしてあり、柱頭裂片の数(3本)だけあります。